トーストマスターズ・インターナショナル
パブリックスピーキング(大勢の前で話すこと)とリーダーシップを学ぶ、アメリカ発祥の非営利の国際教育団体です。
発祥は1924年。カリフォルニア州のYMCAで、スメドリー博士によって作られました。
ただ、YMCAとはいえ、宗教や政治団体との関連はありません。
日本を含む、141か国で展開し、35万以上の会員が参加しています。
日本には、186のクラブが存在しています。(2018年時点)
トーストの由来
「トーストマスター」とは、「乾杯の音頭を取る人」の意味です。
ある語源辞書によりますと、古来西洋には、トースト(焼いたパン)をワインにつけて食べる習慣があったといいます。
その習慣が、転じて乾杯の音頭(たとえば、「Let’s have a toast!」「A toast to your health!」)に用いられるようになったのだとか。
トーストマスターズの特徴
トーストマスターズの特徴は、「実践とフィードバック」にあるといわれています。
その活動(定期例会という意味で、「例会」と呼ばれます)は、スピーチが主体で進行しますが、座学と呼ばれるものはなく、例会の場における実践でのみ培っていきます。
その際、一方的に行うスピーチで完結することはありません。
スピーカーに対してはフィードバックが例会中に行われます。
客観的な視点から自身の発言を見直す機会を伴うことで、実践的な学びの場として機能を高めているのです。
全員が主役
もう一つの特徴としては、トーストマスターズには先生と呼ばれる人はいません。
先生がいない代わりに、トーストマスターズには、1924年の発足以来、連綿と紡ぎあげてきた十分なマニュアルが用意されています。
パブリック・スピーキング、リーダーシップはもとより、プレゼンテーションやワークショップといった個別のものなどがあり、会員はマニュアルに沿って各々のプロジェクト(各段階ごとの目標)を達成し、スピーチとリーダーシップの能力を高めるべく活動しています。
※たとえば最初のスピーチマニュアルのプロジェクト目標はこのようになっています。
2018年5月より、現代のビジネスシーンにフォーカスした「パスウェイズ」という「コミュニケーション」「リーダーシップ」の2つの要素をあわせもつプログラムを導入しました。
例会は3部構成
通常例会は3部に分かれています。
「テーブルトピックス」
「その場で素早く考える」即興スピーチの技術を身につけるコーナーです。
「準備スピーチ」
各人が自身の課題に即したスピーチを行います。
「論評」
準備スピーチへのフィードバックを行います。
例会では各会員が司会や計時係、文法係などの役割を持ちます。
参加者一人ひとりが、必ず発言の機会を持つことで、例会を作り上げていくのです。。
この記事は、Wikipedia「トーストマスターズ・インターナショナル」の項を参照。