「闘牛士が闘牛にとどめを刺す瞬間」_第318回例会報告_20171024

今夜は響クラブで年に2回開かれるワークショップの日です。
過去には「テーブルトピックス」や「ほら話」の作り方を勉強しましたが、
今回は「真実の瞬間」のワークショップ。これはトーストマスターでは定番のテーマです。

 

「真実の瞬間=Moment Of Truth」。
この言葉は、そもそも闘牛用語で、「闘牛士が闘牛にとどめを刺す瞬間」を言い表したものです。
もう少しかみ砕いてみると、「人生を変えた決定的な行動」とでもいえるでしょうか。
この闘牛用語を最初にビジネス用語に転用したのが、スカンジナビア航空です。同社は顧客とスタッフが初めて対面する「15秒」を重視し、そこでの顧客満足度に力を注ぐことで、経営不振にあえぐ会社を生き返らせました。この「15秒」が、同社における「真実の瞬間」です。今回のワークショップは、このメソッドを借りて、響クラブにおける真実の瞬間はなにかを考えようとの試みとなります。目的は、響クラブの活動をより楽しいものにすることです。

 

このワークショップでは、4人から5人のグループを4つ作り、響クラブの会員がファシリテーター(司会進行役)を務めました。普段の例会では話し手と聴き手が分かれますが、今回は顔を向かい合わせ意見交換を行うスタイルです。今回はいつもと違う構成ですので、ワークショップで上がった意見や考え等の紹介を中心にしていきます。

 

最初に行ったのは自己紹介です。まずは個々が持つ響クラブの印象を俎上にあげることからのスタートです。そこではこんなことを一人ずつ発表していきます。
1)トーストマスター歴
2)響クラブに入会した理由
3)響クラブに入ってよかったこと
今回はゲストに来ていただいた方にも2)と3)をアレンジした回答をお願いしました。

2)であがったのは、「人前で話すことが苦手」「プレゼンがうまくなりたい」「意見をはっきり伝えられる人になりたい」などなど。
3)であがったのは、「自分の言葉を受け入れてもらえるという経験ができたことで、人前で話す不安が減った」「職場でスピーチをしたら、上司に褒められた」「仕事関係では会うこともない人たちと接点が持てて楽しい」「ポジティブな集まりなので、参加するだけでいい影響を受けられる」などなど。

次に行ったのは、各々が考える真実の瞬間とはなにか。事前に用意された紙に一言書いての発表です。そこでは以下のような意見があがりました。
「上京する日に、駅まで見送りに来てくれた母親のオレンジ色の傘を見た瞬間」
「響クラブにゲスト参加した日に、自分の名前を会員の人から呼ばれたとき」
「ひとりで初めて作った煮物を口にしたとき」
「準備が不十分だったときのスピーチの評価がやっぱり低かった時」など。

そして、最後は響クラブのポジティブな点、ネガティブな点をグループごとに話し合いました。
ホワイトボードに出そろった意見を貼りだし、問題共有を行ったことでワークショップは終了です。
ポジティブな意見は、「みんな仲がいい」「例会の進行が基本通り進むので安心できる」。
ネガティブな意見は、「ベテランスピーカーが減っている」「他クラブとの接点が薄い」など。

 

響クラブ歴の浅い、長いの違いもあり、噛み合い具合はまあまあでしたが、新鮮な意見も聞けて、興味深い時間でした。 参加したみなさんも同じ思いだったはずです。時に意外な表情を浮かべ、時に笑顔を浮かべながら、楽しそうに耳を傾けていました。響クラブの良さや、例会においてどんな対応をされると嬉しいのかに思いを巡らせる貴重な時間だったのではないでしょうか。
問題改善はこれからですが、響クラブがもっといいクラブになれるように、今回のワークショップを有効に使っていきます。

 

ちなみに、僕の響クラブにおける「真実の瞬間」は、
初めて例会にゲスト参加した日、例会の行われる会議室の扉を恐る恐る押し開けた瞬間です。
廊下は薄暗く、その日は扉が閉まった状態でした。しかも誰もやってきません。扉を前に僕は自問しました。あけると知らない人と対面することになる。うまくできるだろうか。人前で話すことの苦手意識を変えたくてやってきたのに、人見知りの自分が顔を出し、しり込みします。「やっぱり帰ろう」と引き返しそうになりました。

しかし、「これでは何も変わらない」。そのときは、もう一方の自分が勇気を振り絞り、僕の背中をぐいっと押したのです。ようやく扉を押し開けると、会議室は明るく、人がにぎやかに動き回っています。そして、そのなかの一人の女性がすぐさま僕を見つけてくれて、笑顔で迎え入れてくれました。不安はまったくの杞憂。あの瞬間の内なる声は、まさに僕にとって「真実の瞬間=闘牛士が闘牛にとどめを刺す瞬間」でした。この体験で人生が変わったといえるかはわかりませんが、その後に扉の先で僕が見つけたものは大きな変化であったといえます。

 

今回のワークショップは、これからも響クラブの扉を恐る恐るノックする人たちに、このクラブに見学に来て、そして入会してよかったと、より強く感じてもらうにはどうあればいいのかでした。
ぜひ、響クラブで「闘牛士が闘牛にとどめを刺す瞬間」を体感してもらいたいと思います。

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ちょっと面白そうだなと思ったあなた!
新しい仲間が欲しいと思っているあなた!
自分をもっと知りたいと思っているあなた!
 
響クラブで一緒にやってみませんか!

メンバー一同、心よりお待ちしております。
ご見学は無料です。

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スピーチを通してコミュニケーションとリーダーシップを学ぶ非営利の国際教育団体で、全世界135カ国、33万人の会員が参加しています。日本には172のクラブがあり、約4000人の会員が所属しています。

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