司会者の楽しみ方_第333回例会

 

今夜の例会は333回目。
「111回に一度しかない」という貴重なぞろ目の回です。

内容は、といいますと、準備スピーチが4本に論評が4本、テーブルトピックスのコーナーという通常構成でした。

 

今夜のトピックスは、例会の主役ともいえる、「TMOE」について。
というのは、今例会のTMOEは僕が務めたからです。
このTMOEとは何かといいますと、例会の司会者のことです。
正式には、Toastmasters of the Evening(今夜のトーストマスター)と書きます。

 

TMOEの役割とその準備

TMOEとは、その文言の中にトーストマスターズという言葉があることからわかるように、例会の花形です。
例会の司会進行をつかさどり、準備スピーチにおいてはスピーカーの紹介をします。
ただ、これはTMOEの日の当たる部分。

 

TMOEの大事な役目は、当日を迎えるまでの準備にあります。
例会を行う前には、事前に誰がどの役割を担うのかを決めますーー誰が準備スピーチを行うのか、誰が計時係を行うのか、誰がテーブルトピックスマスターをやるのか。

TMOEはその役割に基づいて当日までに会員に役割の確認を行います。
かりにキャンセルがある場合は、代役の手配をします。
響クラブは平日クラブです。
そのため仕事の関係で出席を見合わせたり、遅刻したりということが生じます。
そのたびに、役割担当を見直し、代役の手配を行うという作業が発生します。
そして、これがまさに当日の例会を始めるまで続きます。

 

これが日の当たらない、すこし面倒な部分。
もちろん、変更がないことのほうが多いのですが、油断していると、直前になってキャンセルが続き、パニックということも。

TMOEはそれに並行して、当日のプログラムの作成、当日スピーチをする人からスピーチ情報を入手するといったことも行います。

 

スピーカーを紹介するというTMOEの役目

このように準備が大変、でも、会をしきるというやりがいのあるのがTMOEです。
このやりがいのなかでも、僕がもっとも気に入っているTMOEの役割が、準備スピーチにおけるスピーカーの紹介です。

紹介としてのフォーマットには次の項目があります。
欠かせないのは、「スピーカーの名前」と「タイトル」。
それ以外には「今回のプロジェクト(準備スピーチは必ずプロジェクトと呼ばれるテーマに基づいて構成されます)」と、その「達成目標」を伝えます。

とくに大事なのは「達成目標」です。
なぜかといいますと、会員はスピーカーが掲げた目標がどれだけ達成されているかで、そのスピーチを評価するからです。
いわば評価基準です。

 

話を「紹介」に戻しますと、僕のいうスピーカーの紹介とは上記の項目以外の部分です。
たとえば、その人の人柄。
「次のスピーカーは、いつも笑顔が好きな○○さん~」
あるいは、その人の趣味嗜好。
「初夏の楽しみは○○をすることだという○○さんです」
など。

 

僕の好きなのは、その方の人柄と、スピーチタイトルから想像されるスピーチ内容を結び付ける紹介の仕方です。

たとえば、「以前、風邪は水を飲めば治るという新説で私たちの健康に対する知識を啓もうしてくれたMさん、今回は新しい説を用意してくれたようです。それでは~」といった感じ。
その人のいままでのスピーチの傾向やスタイルを今回のスピーチと結び付けるのです。

こうすれば、その人を知らない初めての人でも、スピーチに対する興味がわいてくると思うのです。どうでしょうか??

なかには紹介時にその人を褒めすぎたあまり、「ハードルを上げすぎ」と苦情をもらうこともありますが、総じて紹介文に工夫を凝らせば、会場の雰囲気も集中力もぐっと高まるような気がします。

つまり、ここで手腕を発揮して、例会を盛り上げることに、僕はTMOEのやりがいを感じているというわけです。

司会者の役目には、例会の進行を滞りなく進めることにもありますが、多少のノッキングがあったとしても、会の密度を高めることに力を入れたほうが、案外みなさんの印象もいいように思います。

 

今回の準備スピーチ

ということで今回はトピックスとしてお伝えした紹介文とタイトルもセットで紹介します。

最初のスピーカーは、アイスブレーカーです。
紹介文は
「今回初のスピーチとなります。Sさんが入会されたのは、今年の4月24日。入会してからひと月半が経ちました。最初のスピーチの準備は万端ですね」。

タイトルは、「トーストマスターズに入って克服したいこと」。
Sさんは、幼いころの失敗から、人前で話すことが大の苦手になったそうです。
スピーチでは、その経緯や克服に向けて選んだ仕事の話、娘さんのお話などのエピソードをつなぎ合わせて、トーストマスターズに入会した理由を語ってくれました。

 

次のスピーカーの紹介文は
「Kさんは、響クラブ専用のサポートシステムを開発した方。
この功績から、近いうち響クラブの歴史書にその名が刻まれるはずです。
そんなKさんの人物像に迫るであろうスピーチ、とても楽しみです」

タイトルは、「私のエンジニア歴とコミュ歴」
スピーチでは、Kさんの職歴と、それによって変動したというコミュニケーションスキルがテーマです。ホワイトボードを使いながらの説明にひと工夫がありました。

 

3番目のスピーカーの紹介文は
「今回もっとも早くスピーチ情報を教えてくれたのがIさん。
当然スピーチも相当しあがっているはずです。
タイトルはかなり不穏な空気を発していますね。
でも、Iさんならきっと素敵な結末を迎えてくれると思っています」

タイトルは「ゴキブリ駆除施工で婚約破棄」です。
Iさんは、新居への侵入者“ゴキブリ”との激闘の日々を、化学ネタをちりばめつつ、ドタバタコメディで語ってくれました。

 

最後のスピーカーの紹介文は
「Iさんは毎回、そのスピーチによって、私たちにスピーチのなんたるかを教えてくれる貴重な存在。
今回もタイトルからして、また一味違うアプローチの予感がありますね。」

タイトルは「ファミリーヒストリー」です。
某番組をモチーフに、家族の意外な事実を知ってしまった顛末を、Iさんらしく、ユーモラスに語ってくれました。

 

 

今夜のベスト賞です。

 

ベストテーブルトピックス賞はIさん。
ベスト論評者賞はITさん。
ベストスピーチ賞はIMさんでした。
おめでとうございます。

 

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【次回例会のご案内】

■第334回 通常例会
日時:6月26日(火)19:30 – 21:15
場所:
IKE・Biz としま産業振興プラザ 第3会議室

ご見学は無料です。メンバー一同でお待ちしております。
見学のお問い合わせはこちらから

★トーストマスターズとは・・・・
スピーチを通してコミュニケーションとリーダーシップを学ぶ非営利の国際教育団体で、全世界135カ国、33万人の会員が参加しています。日本には172のクラブがあり、約4000人の会員が所属しています。

★響トーストマスターズクラブとは・・・・
池袋で活動する日本語のトーストマスターズクラブです。第2・4火曜日に、19時30分から21時15分まで定例のミーティングを行っています。人前で話すことが苦手な方、コミュニケーションスキルを向上させたい方、私たちと一緒に学びませんか?ご見学大歓迎です!お越しをお待ちしております。