通常例会_第427回

初対面同士が大勢集まる席での自己紹介が苦手です。
とくに求められなければ、名前を伝えた後に、「よろしくお願いします」の一言で締める。
重い空気。

そんななか、ひとりくらいは饒舌に話す人がいますよね。
たいして面白くはないんだけど、印象に残る。
しかも、みんなが話題にしやすいので、スタートは、その人の話題でひと盛り上がり。
二歩遅れた。。

自己紹介はある意味、やったもの勝ちというか、勇気の示しどころですね。

トーストマスターズクラブのアイスブレイクとは?
こんな話をしたのは、今回例会のメインイベントが、「アイスブレイク」だったからです。

トーストマスターズクラブにおけるアイスブレイクとはなにか。
それは、トーストマスターズクラブに入会した会員が、初めてメンバーの前で4分から6分のスピーチをすることです。

アイスブレイクは、直訳すれば、「氷を壊す」となるでしょうか。
ここでは、「みんなと打ち解ける」といったニュアンスが強く、まさに自己紹介のようなもの。

いわば最初の一歩。
とはいえ、響クラブに、「こいつは何者だ? ギロリ」と威嚇するような雰囲気は一切ありません。
既存メンバーは、新会員がトーストマスターズクラブで新たな一歩を踏み出せるように、話しやすく、温かい空気を作って迎えます。

人前が大の苦手なHさんのスピーチは心配だった
今回アイスブレイクを行うHさんは、アラフォーの男性で、昨年12月に入会しました。
人前で話すのは苦手。話すにしても、緊張した面持ちで早口にしゃべる。必要最低限のことしか話さない。
4分以上話すことができるのかと私は心配していました。

しかし、今夜の例会では覚悟を決めた様子。
TMOE(今夜の司会)がHさんを紹介すると、私の心配なんてどこ吹く風で、スタスタと壇上に向かいました。
最初はとつとつと。時折右手で持ったメモに目を落としながら。
みんなの視線が注がれても、慌てません。
序盤を過ぎると、前を向くことが多くなり、メモを見る回数はめっきりと減りました。
声に力強さが帯びはじめます。

みなが讃えたHさんのパワーワード
会場にいるみんなをぐっとさせたのは、なぜトーストマスターズクラブに入ったのかという動機を話しはじめたところから。

「このまま人生の傍観者でいいのか?」
Hさんは、居心地のいい自宅で人気ユーチューバーの動画を見ていて、ふと自分の人生を省みたそうです。

以前のHさんとは違い、この日のHさんはひたすらまっすぐでした。

もちろん、緊張がなかったわけではありません。Hさんは最初から最後まで腕組みをした状態でした。緊張は手に出ます。でも、用意したものはそれなりに表現できたようです。
Hさん、次はもっとうまく話すことができますよ。

アイスブレイクが終わると、三歩前進
トーストマスターズクラブでは、普段は聞くことのないその人の秘めたる思いにたびたび出会えます。
「変わりたい」そう思って一歩を踏み出した人の集まりだからです。
人間は簡単には変わらない。でも、人前に立って、話をすることに関しては、目に見えて変わります。
その大きな変化を作るのが、アイスブレイク。
いままで秘めていた思いを吐き出すことができたからでしょうか。
Hさんという人間が何者かを、クラブメンバーが理解し、Hさんがそれを感じるからでしょうか。
表情の硬さはすっかりと消えます。

さて、ここまで読んで、トーストマスターズクラブに興味は湧いてきた、なかなか一歩を踏み出せないというあなた。
心配は当然です。みんなそうでした。
それでもなお、Hさんのように一歩踏み出してみませんか。
響クラブのメンバー一同自信をもって、断言します。
響クラブは、あなたの「変わりたい」を理解し、「こうなりたい」を助ける場だと。

例会記録
今夜の言葉
・まれ

テーブルトピックス
・あなたの本の読みかたは? ◎
・勉強をし続けるモチベーションについて
・人と違う視点の見つけ方。
今回のテーマは、テーブルトピックスマスターが個人的に特定の会員に聞いてみたいこと。

準備スピーチ
・「スピーチをすることから得られること」(アイスブレイク)
・「山活」◎
「山活」は、最近人気のキャンプネタから。
そのキャンプを楽しむことから発展して、紹介されたのが、「山を買う」でした。
「山林売買ネット」なるサイトの紹介もあり、スケール感に始終ワクワクさせられるスピーチでした。
本スピーチのプロジェクトは、スピーチ後に質疑応答を行うというもの。
興味津々の質問が飛び交いました。

論評
アイスブレイクのHさんの論評がベスト論評賞。

以上