一時期の暑さから比べると、たいぶ過ごしやすくなり、秋の気配も感じられてきた9月14日、響クラブ・第416回例会は、前回に続き、完全オンライン形式での開催となりました。
今夜のTMOE(総合司会)でもあるOS会長の「緊急事態宣言下であまり外出もできないが、まずは、近所でサンマの塩焼き定食を食べるところから、秋の訪れを感じていきたい」との挨拶で、和やかな雰囲気の中、例会がスタート。
<今夜の言葉>
今夜の言葉は、SYさんが急遽、ピンチヒッターとして担当。その場で、『平常心』という言葉が発表されました。
今夜の言葉は、その言葉が発表された後、参加者が例会中の発言の中に盛り込むことで、意味や用法を再認識し、語彙を増やしていくことを目的としています。
<テーブルトピックスの部>
テーブルトピックスはその場で出されたお題に対して、お題ごとにその場で1名が指名され、即興でスピーチを行います。(各お題、制限時間:1分~2分+30秒)
今夜のテーブルトピックスマスター(司会)は、ITさん。
秋と言えばスポーツの秋ということで、『運動会』にまつわるお題を5つ、出していただきました。
□お題①: 「あなたが一番得意な競技と、そのエピソードを教えてください」
回答者: SYさん
実は徒競走が得意で、小学6年生から学校代表として市の大会に出場するほどだったとのこと。
もともと足が速かったわけではなく、サッカーの練習での走りこみのおかげで才能が開花し、そこからさらに自らの限界へと挑戦していったエピソードを披露してただきました。
□お題②: 「あなたが一番嫌いな競技と、その理由を教えてください」
回答者: TKさん
それは球技などの団体競技。理由は自分のせいで負けたり、チームの足を引っ張ったりするようなことになるのが嫌だからとのこと。
体育で「One for all, All for one」の精神を育みたいのなら、もっとこうしたらよいのではないかと、学校教育への提言もいただきました。
□お題③: 「あなたのお弁当の思い出を教えてください」
回答者: IMさん
子供の頃、運動会のお弁当は親子で一緒に食べることができ、母親の作ってくれたお稲荷さんが大好きだったが、自分の子供の運動会の頃になると、親御さんが来れない子もいるということで、親子一緒にお弁当を食べることはできなくなり、子供達だけ給食になってしまったとのこと。
また、高校生の時、友達にも食べさせようと頑張って作った運動会のお弁当の思い出についても教えていただきました。
□お題④: 「あなたが一番、応援をした思い出を教えてください」
回答者: NSさん
学生時代、教室にテレビを持ち込み、当時、若貴ブームもあって盛り上がっていた大相撲の中継を連日見ながら、教室のみんなで、勝敗を予想したり、それぞれが推す力士を応援し合ったことが一番印象深い、との思い出を語ってただきました。
□お題⑤: 「あなたの元気が出るBGMを教えてください」
回答者: OSさん
元気が出るのはゲームミュージック。作業や勉強をしながら、昔好きだった往年のゲームをBGMとして聞いているとのこと。
リメイクやオーケストラのバージョンもあって大人になってからも楽しめ、東京オリンピックでは、選手団入場の際にファイナルファンタジーなどの日本が世界に誇るゲームミュージックが流されるなど、その地位が上がったことを喜ばれていました。
<スピーチの部>
スピーチの部では事前にアサインされたスピーカーが、自らの課題に沿ってテーマを考え、準備してきたスピーチを披露します。
□スピーチ①: 「ビジネスパーソン必須のスキルはこれだ!!」
(課題:プレゼンテーション熟達 レベル3/聴衆を奮い立たせる/制限時間:5分~7分±30秒)
スピーカー: KKさん
各国と比べ日本だけが所得が上がらない中、英語や資格、〇〇力や専門知識など、身に着けたいスキルにもいろいろあるが、一生使えて、どの業界でも通用し、誰でも1か月でマスター可能な、おススメのスキルがあるとのこと。
それは15世紀の中世イタリアで生まれ、以来500年を経た今も、その重要性は変わっていないものだということ。
さて、一体、どんなスキルなのか? ⇒ ⇒ ⇒それは、『簿記』。
簿記はビジネスの世界の共通語であり、簿記を知ることは一生の財産になる、とスライドを巧みに使用され、簿記を身につけることで見えてくる具体的な例を挙げて、力強く聴衆に訴えかけられました。
□スピーチ②: 「見過ごせないサイン」
(課題:影響力ある説得 レベル3/自分のユーモアセンスを知る/制限時間:5分~7分±30秒)
スピーカー: TAさん
最近、仕事の忙しさから、うっかり、スピーチの予定日を勘違いしたり、逆方向の電車に乗ってしまうことがあったとのこと。
車内で席を譲った足腰の悪い老夫婦がこれから巣鴨に行くというので、乗り換えのため一緒に降りた池袋でエスカレーターに乗ろうとしていた二人を呼び止め、もっと足場の良い、エレベーターの場所を案内した。
「いいことしたなー」と思ったが、山手線の乗り換え口から遠く離れたエレベーターを案内してしまったことに気づき、すぐに老夫婦を探したが、時すでに遅し。
『平常心』でないと、見えるはずのものも見えなくなる。うっかりは、「休めのサイン」と捉え、大きな事故が起きる前に、一旦、立ち止まって休むことの大切さについて、ユーモアも交えながらお話しされました。
□スピーチ③: 「小さなお風呂屋さん」
(課題:革新的な企画立案 レベル3/ボーカルバラエティについて/制限時間:5分~7分±30秒)
スピーカー: IYさん
スピーチのネタは、お風呂に入り、夢現(ゆめうつつ)の中で考えるというIYさん。
子供の頃に、自宅から歩いて20分ほどの、銭湯を営んでいた祖父母の家に泊まって、手伝いをした時の出来事を、子供の頃の自分、おばあちゃん、クラスメイトのM代ちゃんとそのお母さん、それぞれになり切り、声色も演じ分けながら、石炭を運んだり、男として認められたいという当時の気持ちや、番台に上がっている時に突然、クラスメイトのM代ちゃんが銭湯に入ってきて、『平常心』ではいられなかった感情も織り交ぜ、表現されました。
「皆さんも、この例会のあと、お風呂に入って夢現の中、逢いたい人にまた逢えるかも。スピーチのネタも浮かんでくるかも」と聴衆に語りかけ、スピーチを結ばれました。
<論評の部>
トーストマスターズでは「先生」と呼ばれる人はいません。代わりに、例会ごとにアサインされる「論評者」が各スピーチへのフィードバックを行い、また、論評者以外もコメントシートを通して、スピーカーへのフィードバックを行い、お互いに成長し合える環境があります。
(各スピーチへの論評: 制限時間:2分~3分±30秒)
□スピーチ①への論評
論評者: BHさん
良かった点:
・スピーチの冒頭に各国の平均所得の推移のグラフを見せることで、聴衆の興味を引き付けることに成功した。
・必須スキルは何かを発表するまで、じらし、引っ張ることで、期待が膨らみ、スピーチに集中させられた。
・『平常心』が保たれ、デリバリー(話し方、見せ方)がスムーズで魅力的だった。
改善点:
・実際に、簿記をどうやって学んだらよいか、教材やYoutubeのコンテンツなど、具体的に教えてもらえると、さらに良かった。
・簿記を習得してできることのメリットを、より明確にしていただけると、さらに学びたい意欲に繋がったのではないか。
□スピーチ②への論評
論評者: NHさん
良かった点:
・失敗談をユーモアを交え、楽しく話されていて、スピーチのテーマに沿っていた。
・話し方が明瞭で、活舌が良く、あのー、えーと、といった無駄な言葉もなく聞き取りやすかった。
・つかみ、老夫婦とのエピソード、オチ(結論)というスピーチの構成がしっかりしていた。
改善点:
・結論である休むことの必要性と、そこに至るストーリーとの結びつきの部分で説得力に関しては少し弱かったように感じた。
□スピーチ③への論評
論評者: TKさん
良かった点:
・状況に応じた声の大きさの使い分、女性を演じる時の声色など、プロジェクトの目的であるボーカルバラエティに沿ったスピーチだった。
・演技をしつつも、声の明瞭さ、話すスピードが的確に保たれていた。
・お風呂の中に始まり、お風呂の中で終わるスピーチの構成が良かった。
改善点:
・メッセージを伝えるためのボーカルバラエティであるところ、ボーカルバラエティのためのスピーチになってしまったような印象も受けたので、メッセージと手法のバランスを調整するとさらに良くなるのではないか。
<表彰>
各部門で一番よかったと思う人に一人一票ずつ、無記名で票を投じ、例会の終わりにTMOEから各賞の受賞者が発表されます。
□最優秀テーブルトピックス賞
・OSさん
・TKさん
※同率
□最優秀論評賞
・NHさん
□最優秀スピーチ賞
・IYさん
最後に、OS会長による「新しい自分に会いに行こう!」という今期のスローガン、閉めの挨拶をもって、多くの学びを得た本日の例会も無事終了となりました。
トーストマスターズでは、計時係、集計係、えーとカウンター、文法係、記録係など、例会ごとに各役割担当がアサインされ、例会のスムーズな進行をサポートしています。
また、例会のはじめには、各担当が役割についての説明、注意すべき点についての説明を行っていますので、はじめて見学される方にも、例会の流れをつかんでいただきやすいのではないかと思います。
今夜は、急遽、ピンチヒッターで役割を掛け持ちされた方もいましたが、皆さん、要点を抑えつつ、簡潔に説明をされていました。
テーブルトピックス(即興スピーチ)もそうですが、トーストマスターズでは、突然の指名にも、その場で話しの内容を組み立てて、結論(主張)にまでもっていくという、とっさの対応力を鍛えることができます。
また、スピーチを考えたり、スピーチに対するフィードバックを繰り返し行うことで、理解力、要約力、スピーチの構成力を身につけることもできます。
それらは、仕事の面でも人生においても、きっと役立つものとなることでしょう。
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もし、池袋が生活圏でなくても、オンラインでの見学、参加も可能です。
会員一同、心より、あなたのお越しをお待ちしております。