『真実の瞬間』レポート1 響クラブがいま求めているもの

会場のドアを開けると、最初のセッションで話し合った内容をみんなが発表しているところでした。私は当日のファシリテーターだったのですが、仕事の関係で15分ほど遅刻。机の上に荷物を置くやいなや、汗を拭きながら壇上にあがりました。

■『真実の瞬間』とは?
本例会は、通常の例会ではなく『真実の瞬間』というワークショップを行います。クラブの現状を見直し、これからの方向性を確認します。

※『真実の瞬間』とは、1980年代にスカンジナビア航空が経営再建に活用した手法のこと。顧客と従業員が接触するわずかな時間の対応品質(これを『真実の瞬間』と呼びます)が、企業の経営に大きな影響を与えるという考え方に基づいて作られました。トーストマスターズクラブが毎年開催を推奨しているワークショップです。

クラブにおける『真実の瞬間』を洗い出し、課題を見つけ、改善案を考えることで、活力あるクラブを維持する。それが今回の目的となります。

話し合いのテーマは、ファシリテーターである私が決めました。(『真実の瞬間』レポート2──今期『真実の瞬間』の狙いとは?

■今期のテーマは「大人の遊び場」「成長の場」
主テーマは「響クラブはみんなにとっての成長の場になっているか?」です。ここに今期の響クラブのスローガン『大人の遊び場』を掛け合わせました。今回の話し合いで、みんなからどんなアイデアが出てきたでしょうか。各テーブルで上がった意見を一部紹介します。

Q.大人の遊び場とは?
A.
・自分をさらけ出しやすい、自己表現しやすい場。
・クリエイティブな発想ができる。
などなど。

Q.その遊び場をどうしたら成長の場にできるか?
A.
・チャレンジに対してネガティブなことを言わない。むしろサポートをしよう。
・イベント、ワークショップの企画、実行。
・挑戦に対するフィードバックが成長の実感を与えてくれる。
などなど。

キーワードとしては、
・クリエイティブ
・経験の共有
・フィードバック
・成長の手ごたえ
などが目に留まりました。

■響クラブがいま求めているものとは?
整理してみると、
響クラブは、職場とも家庭とも異なるサードプレイスであり、学びの場。なにより普段は抑えているクリエイティビティを発揮する場として使われています。
しかし、例会で発揮するクリエイティビティはいつも成功するわけではありません。むしろ、そのクリエイティビティは試行錯誤を重ねながら少しずつ上達していくもの。では、どう高めていくのか。大切になるのがみんなからのフィードバックであり、個々の経験の共有となります。
つまりは、このクラブが「大人の遊び場」であり、「成長の場」であるためには、試行錯誤できる場でありつづけること→それを評価するフィードバックの仕組みが整備されていること→リトライする循環があることが欠かせません。

その流れに加え、響クラブメンバーから非日常感のあるイベントやアイデアが加わることが期待されているようです。
今回のコメントをつなぎ合わせてみると、言葉にしきれていなかった部分がはっきり見えてきました。感覚としてはわかっていたことでも、改めて言語化できたのは今回の大きな収穫といえるでしょう。
ただし、『真実の瞬間』はここで終わりではありません。この成果をどう具体的な行動へつなげるか。次はそれを例会で実践していく番です。

■ファシリテーターとしての課題
初めてのファシリテーターとしては、みんなに楽しそうに話してもらえたことが一番かなと思います。実際、会員の方からは「響クラブや例会に対する率直な意見やとても前向きな発想、豊かなアイデアがたくさんでた」との意見をいただけて、ひと安心です。

個人としての課題はあります。それは話し合った内容の共有と記録です。十分な話し合いの時間を作るために、各グループで話し合った内容をチャットに入力してもらう形にしたのですが、前半部はまだしも、後半の「行動プラン」の記録が漏れてしまいました(あとでみんなに確認することで補いました)。とはいえ、私にとってファシリテーターは初めてのトライ。この課題は次に生かしたいと思います。

■読んでいただきありがとうございます
最後に、このブログを見ていただいた方に知ってもらいたいのは、響クラブでは、人前でスピーチする以外に、こうした話し合いを行って、クラブの改善を行う前向きな土壌があることです。
また、誰でもファシリテーターを体験することができます。『真実の瞬間』ワークショップの枠組みは用意されているのでそれに従えば形は整います。また、目的さえ見誤らなければ、進め方をアレンジすることも許されます(と思います)。

あなたは、ファシリテーターをやっている自分自身を想像できますか?
ご興味を持たれた方はぜひ響クラブの例会に見学に来てください。